みなさんこんにちは、とのっちょです。
ニュージーランドに来ると一言で行っても状況は様々だと思います。
- お子さんの留学先にニュージーランドを選んだ
- 仕事の関係でニュージーランドに来た
- 移住目的でニュージーランドに来た
NZに来る上で気にすることは様々でしょうが、そのうちの一つに治安があると思います。今回はニュージーランド、特に私が住んでいるオークランドの治安について書いていきます。
ちなみに性犯罪に巻き込まれた場合の対応については以前記事を書いていますので、参考にしてください。

治安の情報を収集することは非常に重要です。特に移住をするにあたって滞在する地域やお子さんの留学先を決める上では最優先で気にすべき情報と行ってもいいでしょう。
またこの記事は犯罪発生件数を地域ごとに調べる手段は書いていますが、その地域の安全性を保証するわけではないことを予めご了承ください。
実際に相談をするのであれば、移民エージェントという生活支援をしてくれる業者さんと契約をしてアドバイスをもらう、ということも考えて良いと思います。
客観的に見た日本とニュージーランドの治安の比較
まず、ニュージーランドは安全だと言われているようで、2024年版Global Peace Indexでは日本が17位なのに対して、ニュージーランドは世界で4位に位置しています。2023年も4位に位置しているので、世界的にも相当に安全な国だと言えるでしょう。
https://www.economicsandpeace.org/global-peace-index/
ただ、詳細に目を移してみると事情が変わります。
この指標には以下に示す3つのカテゴリーがあり、日本と比べると以下のようになっています。
- Ongoing Domestic and International Conflict: 紛争に巻き込まれているか、ニュージーランドは6位、スコアは1.011(日本は32位、スコアは1.504)
- Societal Safety and Security: 犯罪率、ニュージーランドは14位、スコアは1.502(日本は7位、スコアは1.336)
- Militarisation: 軍事費、ニュージーランドは13位、スコアは1.409(日本はかなり下位、スコアは1.725)
つまり、日本は犯罪率についてはかなりの上位にあるものの、紛争に巻き込まれているか、軍事にお金を使っているかの観点でで相当に順位を下げていますが、ニュージーランドは全体的には優等生だけど、犯罪率については日本に遅れを取っている、と言うように見えます。
ただし、Societal Safety and Securityの2023年のスコアは1.594だったので、若干の改善はしたようです。日本は同年2位でスコアも1.272だったので、日本の治安は指標では悪化していることがわかります。
この数字の違いがどの程度のレベルかは調べていません。ニュージーランドの犯罪発生率は日本よりも高い、ということだけ理解してください。
NZはどんな犯罪が多いの?
一口に犯罪が多いと行っても、犯罪には殺人から泥棒まで色々とあります。実際にNZでよくある犯罪にはどういったものがあるでしょうか?
NZ警察のCrime snapshotというページである程度の調査を行うことができます。
https://www.police.govt.nz/crime-snapshot
これによると、2024年4月から2025年3月までを見ると、Assault、つまり暴行が若干の増加傾向にありますが全体的には減っている印象です。
ですが例えば性犯罪は2758件が2749件と「減った」というよりは「大体横ばい」と言う印象ですし、他のタイプについても横ばいという印象の変化です。
全体を俯瞰すると、盗難、強盗、暴行が特に多い、と言う印象ですし、この辺は日本とも変わらないかもしれません。
犯罪の地域差はあるの?
これは人の世の常と言えるかもしれませんが、人の多い場所では発生件数も上がります。ではNZで特に多い地域というのはあるでしょうか?
先のどのcrime-snapshotで地域をクリックすると更に詳細な情報を手に入れることができます。
そこで見てみると、AucklandではCentralとManukau Southで特に犯罪が多いということがわかります。Christ ChurchではCathedral Squareが特に多いということもわかります。
このようにまず犯罪件数のことを調べておくといいでしょう。
時間帯の傾向として犯罪は夜間に発生することが多いので、夜間に一人で出歩くことは避けたほうがいいでしょう。
ニュージーランドならではの犯罪は?
ニュージーランドで特徴的な犯罪は以下のとおりです。
- Ram-Raid(ラムレイド)
- 車上荒らし
- ギャング同士の抗争
- オンライン詐欺
Ram-Raid
Ram-Raidというのは、以下の手順で行われる強盗手法です。
- 車を盗難する
- 盗んだ車で店舗に突っ込む
- 商品を強奪して逃走する
この手法の犯罪はコロナショック以降顕著に増加しており、2023年の記事では、そこから過去2年間で465%増加、犯人の70%が18歳以下の若者ということがわかっています。
https://www.rnz.co.nz/news/national/485209/revealed-the-total-number-of-ram-raids-last-year
この犯罪は車で店舗に突っ込むという特徴から、被害者側の損害も甚大なものになるという特徴があり、政府は店舗に防護のための資金援助をしています。
これについては貧困問題なども絡んでいるのでちょっと難しい話になっています。
車上荒らし
次に車上荒らしです。これは我が家も経験しています。
車の窓を破って車の中にある充電ケーブルなどを盗んでいくと言う被害にあったことがありますが。多分このときは車ごと盗む計画だった可能性もあります。
車の盗難については、ハンドルロックをかける、などの対策をするだけでも相当効果的だと聞いたことがありますので、車を持つならその辺の対策はきちんとしましょう。
車上荒らしについて警察に通報したのですが、一ミリも動いてくれないばかりか「それに対応する人員がないから無理」とピシャリとやられてしまいましたし「犯人がわかっているなら行ってくれて構わない」などとかなり危険な提案もされました。
NZは特に盗難が多いので、警察のキャパシティを超えてしまっている、というのが実情のようです。
そのために盗難が更に増えるという悪循環になっているようにも見えています。
ギャング同士の抗争
一見平和なニュージーランドですが、ギャングはいます。
ちなみにギャング規制法と言う法律が2024年に施行され、ギャングが公共の場所でバッジやジャケットを身につけることが禁止されました。
政府の議論によれば、ギャングの構成員の数も増加傾向にあるようで、2016年2月には4361人くらいだったのが、2022年の4月には7722人に増加しています。
収監されたギャングも増加していることから、ギャングの犯罪が増加傾向にあるように見えます。
https://www.parliament.nz/en/pb/library-research-papers/research-papers/new-zealand-gang-membership-a-snapshot-of-recent-trends/
ギャングの行う犯罪としては、嫌がらせから性犯罪や殺人に至るまで様々ですが、件数自体は全体としては減少しているようです。しかしながら殺人は倍増しているとのこと。
https://www.rnz.co.nz/news/national/519418/gang-homicide-stats-double-as-offence-numbers-fall
ギャングの行う犯罪には他にも薬物や銃器の販売などもあるようです。
ギャングにたまに見かけますが、向こうからなにか仕掛けてくるということは無いように見えます。ただし、彼らの領分を犯すようなことがあったばあいにどのようなトラブルがあるかは想像がつきません。絶対に近づかないようにしましょう。
オンライン詐欺
私にも頻繁に来るこのオンライン詐欺ですが、日本で言うところのオレオレ詐欺もありますし、買っていないものの請求をテキストメッセージなどを利用してするなどもあるようです。
私にちょくちょく来るのは以下の3つです。
- 小包の配送が今停止しているからここにログインして処理をしてほしい、と言うメッセージ。リンクは怖いのでクリックしません。
- Amazonで買い物をしたか?と言う感じで始まる詐欺電話。カードが未払になっているからと請求される。
- 移民局を語る何者かからあなたのビザに問題があったので今すぐ電話をせよというものも来ます。この手の詐欺電話は移民国家ならではかもしれません。
- そういえば投資の電話がしつこくかかってきたこともありました。何度断ってもかけて来ます。
それと、一時期「セバスチャンか?」と言われて始まる電話もありましたが、あまりにも何度もかかってくるので多分本当に間違っているのだと思われます。
このあたりはnetsafeというサイトに情報が集約されていますので、参考にしてください。
https://netsafe.org.nz/
持論ではありますが、オンライン詐欺に一番引っかかりやすいのは「自分は気をつけているから大丈夫」と思っている人です。
たまにその辺の話をしても、自分は気をつけているの一点張りで話にならない人は結構いますが、多分引っかかっていないのは運がいいだけです。
ITの仕事をかれこれ20年以上やっていますが、それでもいろいろな条件が重なると引っかかると言う経験をしています。そのため引っかかっても問題がないような対策を予め講じています。
最近肌感覚として感じていること
NZに住んでいて最近感じているのは、以下のようなことです。
- 犯罪のニュースを見る機会が増えた気がする
- 乱暴な運転の車が目に見えて増えている
- 人口増加から明らかに人が増えていてどこも混みやすくなっている
特に最近のNZは契機が悪く、また貧困問題も相変わらずあります。そのため、強いフラストレーションを感じながら生きている人は多いかもしれません。
少しでも雰囲気がおかしいと思ったら引き返す、行かない、と言う判断をするようにしましょう。
次に警察ですが、軽犯罪については全く期待できません。そのため、防犯カメラの設置や保険に入るなど自衛の対策を必ずたてるようにしてください。
まとめ
いかがでしたか?NZと言う国は全体的に見れば安全な国ですが、犯罪については日本よりも危険と言う前提から、実際にどのような犯罪が特徴的か、について書きました。
この他にも違法薬物の売買なんかも行われていますので、危険な場所の情報を予め収集する、危険な時間帯に出歩かない、というのは海外に住む上での最低限守るべきポイントです。