NZ移住ガイド

家族で移住するなら必須、Equity Indexを学校選びに役立てよう

お子さんをつれてNew Zealandに移住をするに際して、特に気をつけたいのがお子さんの通う学校選びです。

学校を選ぶ上で気にすることをぱっと言うならば「その学校が提供する教育の質」というのがすぐに浮かぶかもしれませんが、実はNew Zealandでは「その学校に通う子供の貧困率」というものも重要になってきます。

今回は子供の貧困率が学校に与える影響と、それを数値化した指標であるEquity Indexについて書いていきます。

Equity Indexは学校に通う貧困層の子供の比率を表していますが、同時にその学区の貧困率も表しています。そのため、治安を考える上でも大事な指標になっています。

また、この指標が学校が提供する教育の質とは一切関係がないので注意してください。

貧困率が学校に及ぼす影響

まず悲しい現実としてNew Zealandには貧困層と呼ばれる低所得者がいます。そして彼らの子供たちは学業成績が低いという傾向があります。

これは子供たちを取り巻く環境によって学習機会が奪われてしまう、ということでもありますが、例えば以下のような問題があるようです。

  • 学校を欠席することが多い
  • 家計を支えるために仕事をするため学業と仕事の両立が難しい
  • 教育資源へのアクセスが少ない
  • 家庭が学業にそもそも積極的ではない

またこういった問題から、どうしても学校での学習ペースが低下してしまう、学校で十分な教材を揃えることができない、ということも起きてしまうので、貧困層の子供たちの問題がそうでない家庭の子供たちにも影響を及ぼすことがあります。

人道的にはそういった子供たちにも十分な学習の機会を提供すべきですし、政府もこの問題に取り組んではいますが、できればこのような環境は避けることが望ましいと言えるでしょう。

冷たいようですが、こればかりはどうしようもありません。お子さんの将来を考えて学校を選ぶようにしましょう。

学校に通う貧困層の比率を指標:Equity Index

学校に通っている貧困層の子供は少ないほど良いという一見血も涙もないような基準を設けたものの、どうやって調べたらいいかわからないと思います。

そこで利用するのがEquity Indexです。

https://www.education.govt.nz/our-work/changes-in-education/equity-index

Equity Indexは、経済的な理由で十分な教育を受けることが難しい子供がどのくらいいるのか、と言う指標になります。

この指標は2022年に導入されたため、知らないご家庭も多いかもしれません。代わりにDecileという言葉を聞くかもしれませんが、これも同様にその学校に通う貧困層の子供の比率を表した指標ですが、今は利用されていません。

政府はEquity Indexを利用して助成金の配分を行っています。

Equity Indexの詳細

Equity Indexは344点から569点と言う範囲のスコアで表されており、少ないほど貧困家庭の子供が少ない、と言う意味になります。

https://www.educationcounts.govt.nz/data-services/guidelines/school-equity-index-bands-and-groups

こちらの情報によると、7バンド、3グループというように別れており、少ない方から2バンドがFewer、真ん中の3バンドがModerate、そしてスコアの高い2バンドがMoreというグループになっているようです。

例えば、バンドとしてBelow Averageを目指したいのであればEquity Indexのスコアはいくつを目指せばいいのか、というのがよくわかりません。ただ、7バンドなので、(569-344)÷7をすると大体32ポイント区切りのようなので、雑に以下のように見てもいいかもしれません。

  • Fewest 344以上
  • Few 376以上
  • Below Average 408以上
  • Average 440以上
  • Above Average 472以上
  • Many 504以上
  • Most 536以上

ということはEquity Indexが440くらいまでの学校ならそれほど貧困層の子供も多くない、と言えるかもしれません。

Equity Indexにもとづいた学校の検索方法

それでは今度はEquity Indexに基づいて学校を探すことにします。

NZ Subject and School Statisticsと言うサイトがあり、ここで検索することが可能です。

https://stats.jpw.nz/eqi

それでは先程書いたようにEquity Indexが440以下の学校を探してみることにします。

このように検索することができました。

Regional CouncilやTerritorial Authorityを設定することでより詳細な地域で検索することができます。

Equity Indexと寄付金の関係

Equity Indexは貧困家庭の子供の割合を示しており、政府助成金の配分に利用されています。

これの意味するところは「貧困家庭の多い学校ほど助成金を多く分配している」ということでもあります。

つまりEquity Indexの値が低い学校ほど政府の助成金が少ないために、寄付金を多く募ると言う性質があります。

https://www.education.govt.nz/school/funding-and-financials/fees-charges-and-donations

この記事にはEquity Indexが432以上の学校は寄付を募集してはならない、というルールがあります(ただしオーバーナイトキャンピングは別)、そしてEquity Indexが431以下の学校は寄付を募っても良い、となっています。

寄付金の金額はEquity Indexの数字が低いほど高くなると考えられますので、あまりスコアが低い学校を選んでしまうと、寄付金が増えていく可能性があります。

寄付金は払わなくてもいいので、払わない選択をすることはもちろん可能です。ただ、寄付金が高い=富裕層が多い、ということでもあり、その場合はご近所付き合いも大変になるようです。Equity Indexの数字が低いからと言ってもいいことばかりでは無いようです。

まとめ

その学校における貧困家庭の比率を知るための指標としてEquity Indexをご紹介しました。

Equity Indexが432から寄付の募集ができないということは、このあたりから政府の助成金が大きくなるということでもあり、同時に貧困家庭の比率もある基準を超えると考えて良さそうです。

実際にどのくらいの数値の学校がご自身にとって寄付金などの金額のバランスがいいのか、というのは移住エージェントなどに聞いてみてもいいかもしれません。

ABOUT ME
tonoccho
50代を目前にした父親であり夫でありプログラマーです。2014年からニュージーランドに在住、ニュージーランドでの暮らしや趣味としてのDIY、写真、家庭菜園、そして仕事でもある技術系の話題を発信しています。