Davinci Resolve + RODE Wireless PRO + デジカメで撮影した動画でタイムコード同期をしました

前回、LINUXにDavinci Resolveをインストールし、AMD GPUを使ったときのトラブルに対応したり、LINUXではMP4だと読み込めない場合があるので、動画の形式をffmpegを使って変換して読み込む、ということをしました。
今回は、実際に動画を読み込んでタイムコードで動画と音声を同期するところを書いていきます。
タイムコードって何?
タイムコードというのは、動画や音声に時間情報を埋め込むという技術です。正直あまり詳しくないのですが、複数のカメラや録音機材を使って撮影をしたときに面倒くさいのが、タイミングを合わせるという作業です。
そこで、これらのデータに「いつなんどきに取ったデータなのか」という情報があれば、アプリケーションで自動的にタイミングを合わせることができますし、人間の聴覚に頼ってやるよりは遥かに正確です。
このタイミングを合わせる、という技術がタイムコードになります。
タイムコードを使った構成
タイムコードはタイムコードを生成するジェネレータという機材が接続された各機器にタイムコードを配信する、という形で記録されていきます。
タイムコードを記録するには、データとして記録する方法と、音声信号として記録する方法があります。
今回の構成は以下のようになります。
- 録音機材はRODE Wireless PROを使うので、音声データにタイムコードは自動的に保存される
- デジカメとRODE Wireless PROの受信機を音声ケーブルで接続し、録画する動画には音声データとしてタイムコードが記録される
- これらのデータを後でDavinci Resolveで同期する
ちなみに、タイムコード発信機を複数のカメラに順次接続してタイムコードのデータを記録する、というやり方もあるようなのですが、これをやると段々とズレが出てくるということなので試していません。
タイムコードを使った撮影の準備
それでは、撮影前の準備を行います。と言っても重要なのは、すべての機材のフレームレートを揃える、という一点です。
RODE Wireless PROは発信機とスマホをUSBケーブルで接続して、アプリを使って設定します。ここでは細かな設定は割愛します。
デジカメはお使いの機器の録画設定を利用してください。
ここでフレームレートを揃えずに収録してしまうと、後でうまく同期をすることができませんでした。
それと、録音されたタイムコードは凄まじいノイズなので、うっかり再生してしまわないように気をつけてください。
もっと上級者の人ならうまくやる方法があるのかな?
これらの設定が完了したら撮影をします。
撮影後にデータをDavinci Resolveに読み込み、タイムコードの処理をする
音声についてはタイムコードが保存されているので、特にやることはありません。ここでは動画のみを処理します。
まず、Mediaスクリーンに移動します。

読み込んだメディアの一覧が表示されるので、動画を右クリックし、Update Timecode from Audio Trackを選択します。

すると、Clip DetailsのStart TCとEnd TCが更新されます。

これでタイムコードの処理ができました。
データをタイムラインに配置して同期する
それではこれらを実際にタイムラインに配置して同期します。
Editスクリーンに移動して、ファイルをタイムライン上に配置します。この時点ではタイムコードによる同期はされていません。

Ctrl+Aで全トラックを選択し、適当なトラックを右クリックし、Auto Align Clips…をクリックします。

Timecodeが選択されていることを確認して、Syncをクリックします

すると、音声トラックの位置が変わりました。同期されたようです。

ここではタイムコードの音声データがなってしまうので、まだ再生しないでください。
タイムコードの音声トラックを消去する
タイムコードの音声トラックを削除します。先程タイムラインに配置した動画はVideoトラックとAudio Trackに配置されていますが、これらはリンクされています。

どちらかのトラックを右クリックしてLink Clipsのチェックマークを外します。

すると、リンクマークが表示されなくなりました。

トラックを右クリックしてDelete Trackを選択してください。

これでタイムコードが消去されました。
タイムコードは、音量を下げてさいさえいされても聞こえなくする方法もありますが、ここでは割愛します。タイムコードのデータを取っておきたいような場合はそのほうが良いかなと思いますが、各トラックの同期以外に用途はないので、個人的には取っておくメリットはないと感じています。うっかり再生しちゃうとうるさいし。
再生してきちんと同期されているか確認する
それでは実際に動画を再生し、音声と動画の同期が取れているかを確認します。
良さそうであればその後の編集作業を続けてください。
ちなみに今回作成した動画はこちらになります。私はピアノに関しては全くの素人ですが、何故かこのねこふんじゃったは弾けるので実験に使用しました。
まとめ
今回はDavinci Resolveを利用してRODE Wireless PROとデジカメを使った撮影後のタイムコード同期について書きました。
私の環境ではできたので、値段などで二の足を踏んでいる人もこういう感じになるのかとおわかりいただけたかと思います。
完全に動作することを保証する、というものでもないのですが、私の環境ではタイムコードによる同期に成功することができました。
タイムコードによる同期ができれば私のような素人でもきれいに揃った動画を作成できるのでおすすめです。
【広告】今回使った機材
今回使用した機材は以下のとおりです。
RODE Wireless PRO
録音機材としてRODE Wireless PROを利用しました。32bit float録音に対応し、タイムコードの発信機能もあるので、かなり使いでがいいです。
RODE Interview GO
Wireless PROのマイクをマイクスタンドに取り付けるためのアダプタとして、Interview GOを利用しました。これにマイクを取り付けてからスタンドに取り付けます。
適当なマイクスタンド
今回の録音はアップライトピアノのうわぶたを開けてそこにマイクを設置しましたので、マイクスタンドが必要でした。何という形なのか名前はわかりませんが、この形のものを使うとマイクを設置しやすいです。