こんにちは、とのっちょです!
数年前から妻がピアノを趣味で習い始め、毎年行われる発表会を撮影してきました。何度か試してみて感じたのが、「もっときれいに録音したい」ということ。そこで今回は、音割れの仕組みと対策を本気で調べてまとめました。
今回はこういうデバイスを買うといいよ、と言う話ではなく、音割れってそもそもなんで発生するの?っていう話と対策について勉強してまとめたものになります。ちなみに、本気でピアノを録音する、というのは大学の研究プロジェクトになるくらいに難しいものでもありますから、ここでは「音割れさせずに取り込むための考え方」くらいで考えてください。
撮影方法の課題
これまでの撮影は、デジカメ一台で録画ボタンを押すだけのシンプルな方法。しかし、以下の課題がありました
- 周囲の雑音を拾うため、演奏に集中できない。
- 内臓のマイクが撮影者のノイズまで拾う。
- 音質が全体的に良くない。
そこで、もっと良い録音方法を探ることにしました。
音割れの原因とは?
スマホでピアノを録音すると音割れしてしまいました。
音割れの原因は、「録音経路のどこかで過剰な音量が発生」しているからです。
録音の基本的な流れ
- マイク:空気振動を電気信号に変換。
- オーディオインターフェース:電気信号をデジタル信号に変換。
- DAW(Digital Audio Workstation):デジタル信号を処理。
どの段階でも音割れが発生する可能性があります。
DAWで発生する音割れについては今回は調べていません。流石にキャパオーバーしたので・・・
マイクの音割れ
マイクで音が割れる、というのはつまりそのマイクでは耐えられないレベルの大音量を受け取った、ということでもあります。
例えば島村楽器さんのサイトではAudio Technicaのマイク比較が乗っています。子のマイクの最大入力音圧レベルが144db(144デシベルってことかな)となっており、これより大きい音が入ってくると音が割れてしまう、ということでしょう。
ちなみに144デシベルはジェットエンジンのそば、くらいの音量で、聴覚に異常をきたすレベルらしいので、人間が聞ける音である以上は音割れしないマイクなのだな、と考えることができますね。
ピアノの音圧は90〜110デシベルくらいらしいので、120デシベルまで耐えるマイクなら問題はなさそうです。
オーディオインターフェースの音割れ
マイクをつなぐ機械がオーディオインターフェースです。
オーディオインターフェースにはつないだマイクや楽器の音量を調節するつまみがあり、これを大きくしすぎるとピークインジケーターのランプが点灯して音割れを伝えてくれます。
この音量調節を「ゲイン」と言うそうです。ゲインをいくら下げても音割れしている場合は、マイクですでに音割れが発生している、ということになります。この場合はマイクの音量を調節すればいいようです。場合によってはマイクの故障もありえるようです。
マイクの音量をマイクで音割れしないように調節し、オーディオインターフェースでクリッピングが発生しないように調節する、ということですね。
32bit floatってなに?
で、こうやって調べていくうちに見つけたのが「32bit floatで録音すれば音割れがしない」というものでした。これは録音用機材に見られる仕様ですが、一体なにか、っていうのがイマイチわかりませんでした。
bit数はつまりダイナミックレンジのこと
32bit floatの他には、24bitと16bitがあるようです。この数が大きいというのはつまり、ノイズを発生させずに録音する音の範囲が広い、ということになります。
例えば16bitの場合は最大96デシベル、24bitだと144デシベル、32bit floatだと1680デシベルくらい行けるようですが、私は初心者なので、ここは大雑把に32bit floatで録音している限り、マイクが音割れしないなら音割れしない、くらいで捉えることにしました。
もうちょっと技術的な言い方をするならば、音割れする範囲の音は実は失われておらず、音量を調整することでその部分を復帰させることができる、ということになります。
デジカメのRAWデータのように一見真っ白だけど一生懸命調整すると見えなかったものが見えるようになる、的なものでしょうかね。
bit数が大きいと録音できるものも増える
16bitはこれまでのCDで24bitはハイレゾCDと呼ばれるものなんだそうです。つまりビット数が大きいほど、取り込める音というのが増えていく、ということのようです。
なかなか難しいのだけど、32bit floatという形式の録音がどういったものか、というのはなんとなくわかったと思います。
音がいい、というわけではなさそうで、あくまでも取り込める音のダイナミックレンジが非常に広い、ということで考えておくと良さそうです。
ピアノを録音するときのマイクや機材
そんなわけでもとのテーマに戻るんですが、私のような素人がピアノの演奏をいい音で録音するにはどうすればいいのか、ですが、今の所の結論はこんなかんじです。
- ピアノのそばにマイクを設置する
- マイクは最大音圧が大きいものを利用する、ピアノの音圧はしっかりカバーしたものを使う
- 32bit floatの機材を利用して録音する
実際に機材を考えてみたいと思います。
まず、ピアノの音圧はフォルテシモで110dbくらいなんだそうです。つまり、マイクが110dbでノイズが出ないならそれでOKということになります。
Zoom H6essential
友人に聞いたところおすすめされたのがZoomのハンディレコーダーでした。
H6essentialの標準搭載されたマイクは135dbまで行けるようなので、これ一台あればピアノは十分に録音できるということになります。
Zoom H5studio
Zoomの新製品であるH5studioは140dbまで行けるようですね、ダイナミックレンジとしては123dbまで行けるということのようで、よく考えたらこの辺よくわかってない、なんで数字減るの?
Rode Wireless PRO
RODEと言う会社はオーストラリアの会社だそうで、ワイヤレスマイクを結構リリースしていました。これも32bit floatでの録音に対応しています。
ちなみに、親機がタイムコードを出してくれるそうなので、撮影時の音声と動画の同期もしやすそうですね。これのマイクも123.5dbまでの音圧に対応しているのでピアノは行けそうです。
ちなみに260mまで離れられるので結構遠くでナレーションしながら撮影とかできそうですね。
Rode Wireless GO (Gen 3)
こちらはタイムコードの生成はないようですが、RODEの最新機種なのかな?RODEはどちらかというとvlogとかそっちに軸足をおいている感じがします。
まとめ
プロのような完璧な録音は難しいですが、以下の2店に注意すれば、十分に満足できる録音が可能と思われます。
- 32bit float対応のレコーダーを使う
- マイクがピアノの音圧に耐えられるものを選ぶ
近いうちに実験をしてみようと思います。