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マオリのハカとは?その歴史と文化的意義を解説

ニュージーランドのマオリ族に伝わるハカは舞踊の一種として日本でも非常に有名です。

ニュージーランドのラグビー代表チームであるAll Blacksが踊るハカは「カ・マテ」という名前があります。

日本人には「ガンバッテ!ガンバッテ!」と空耳する箇所がありますが、この箇所はマオリ語では「カマテ!カマテ!」と言っており、日本語では「死ぬかもしれない、死ぬかもしれない」という意味です。

ですが、このハカにまつわる様々なことを知らない人も多いかもしれません。ニュージーランドに10年以上住んでいる私も恥ずかしながら「マオリ族の伝統的な舞踊である」以上のことは知りませんでした。

そこで今回はハカの概要や起源について調べてみることにしました。この記事を読むことでオールブラックスのハカの意味がより良くわかるようになると思います。

そもそもハカって何

まずは、ハカがマオリにとってどのような意味を持ち、どのように誕生したのかについて書きます。

マオリ族にとってのハカが持つ意味

ハカはオールブラックスのハカのように、戦士たちが士気を高めるために踊るものもありますが、その他にも歓迎や祝賀、葬儀のためのハカも存在しています。

このようにマオリ族にとってハカは生活に密着したものとなっています。

ハカの歴史と起源

今でこそ様々な場面で使用されるハカですが、もともとは生命を祝福する踊りとして始まっており、マオリ神話によると、太陽の神タマ・ヌイ・テ・ラとその妻であり夏の神でもあるヒネ・ラウマティの息子であるタネ・ロレが夏の日差しの中でかげろう(陽炎)を表現するために踊ったのが起源とされています。

ハカの特徴

ハカという踊りにはいくつか特徴的な動きがあります。「なんで目を見開いて舌を出すんだろう」などと思ったことはありませんか?いくつかリストアップして説明します。

これらを理解することで、オールブラックスのハカのもつ意味も見えてきますね。

体を叩くことの意味

ハカでは足をベシベシと叩きます。これには以下に示すようないくつかの意味があります。

  • 感情の表現(怒り、悲しみ、喜び、決意)、胸や太ももを叩く動作には力強さや情熱を主張する意味もあります
  • リズムを取っている
  • 体を叩くことで祖先の霊を呼び起こして力を借りている
  • 威嚇

目を見開くことの意味

次に目を大きく開くのもハカの特徴です。これには以下の意味があります。

  • 自信や力強さの表現
  • 感情表現
  • 精神的な力や祖先の霊とのつながりを強調している

舌を出すことの意味

舌を出すことについても見てみましょう。

舌が長い!と思うかもしれません。目の開き方も眼球出るんじゃないかっていうくらい開きますが、舌を出すことの意味は以下の通りです。

  • 威嚇(自分たちの力強さや恐れを知らない態度になる)
  • 強靭さ、勇敢さの象徴
  • 舌を出すことでマオリの祖先とつながる
  • 視覚的なインパクト

ハカの重要な要素

ハカにおけるここの動きはわかりましたが、今度はもうちょっと全体的な要素について説明します。

フォーメーション

オールブラックスのハカは隊列を組んで踊ります。この隊列は踊りの意図や伝えたいメッセージが込められています。

例えば一列に並ぶ、円形に並ぶ、と言ったものもあります。この他にも敵に対して組織力を伝える意味も持ちます。

他にも歓迎を意味するハカを踊るときは中央にホストやゲストを配置して踊ることで敬意を示すことがあります。

他にも伝統的な神話に基づいていることもあるようです。

詠唱者

ハカのパフォーマンスの中で一人ウロウロと歩きながらなにか唱えている人がいます。この人は通常はリーダー(カイ・ティモア)が努めます。

この人はグループの中で最も経験豊富で尊敬されている人物であり、ハカ全体の中で指揮者のような役割を果たします。

彼の詠唱は、全体のエネルギーや感情を作り上げる、祖先への敬意や集団への団結を表すなどしています。

他のメンバーは詠唱に対するハーモニーを加える形で全体的なエネルギーを上げていきます。

マナ

最後にマナです。ファンタジー系のお話でもマナという言葉は聞くことがあると思いますが、マオリにおいては霊的な力や尊厳を表します。

マナというのは、祖先から受け継がれる霊的なエネルギーであり、特にリーダーや戦士には強いマナが宿るという考えがあります。

このマナは、正しい行動、勇気ある行動、文化的な価値観を守ることで高めることができると考えられています。

また、マナはあらゆるものに宿るともされており、特定の山や樹木に宿ったマナはマオリにとって特別な役割を果たしました。ここで言う特定の山や樹木というのは、タラナキ山、トンガリロ、ルアペフ山、カウリの木、ポフツカワの木があります。

また、マナは失われることもあり、その際は取り戻すための行動が必要になります。行動には以下のようなものがあります。

  • ホイ:会合や議論を行い、謝罪、説明、和解を行う
  • ムフカ:お互いに温かい言葉を交わす
  • ウィロイ:傷つけた相手に贈り物や支援を提供する。
  • カラキア:祖先の霊に祈りを捧げて神聖な力を借りる
  • マナアキタング:ゲストや地域の人々を歓迎し、礼儀正しく接する

オールブラックスが踊るハカ「カ・マテ」の歌詞と邦訳

ちょっとしたおまけですが、AIに聞いてみたら歌詞と和訳を提示してくれたので、以下に記載します。こんなこと言ってたんですね。

マオリ語の歌詞

Ka mate! Ka mate!

Ka ora! Ka ora!

Ka mate! Ka mate!

Ka ora! Ka ora!

Tēnei te tangata pūhuruhuru

Nāna nei i tiki mai whakawhiti te rā

Ā, upane! ka upane!

Ā, upane, ka upane, whiti te rā!

日本語の歌詞

私は死ぬ!私は死ぬ!

私は生きる!私は生きる!

私は死ぬ!私は死ぬ!

私は生きる!私は生きる!

ここにいる毛深い男が

太陽を呼び寄せ、輝かせた

一歩上へ!さらに一歩上へ!太陽は輝く!

まとめ

いかがでしたでしょうか?この記事を読んだことで、ハカというのが参加者の士気を高め、団結力を高め、また、祖先の霊からマナを得ることで更に力強くなるための儀式であるということがわかったと思います。

また、ハカが単なる踊りではなく、思った以上に深い意味のある行為だということもわかったと思います。

今後ハカを見たときにより深い理解を持って見れることがなるようになったと思います。

ABOUT ME
tonoccho
50代を目前にした父親であり夫でありプログラマーです。2014年からニュージーランドに在住、ニュージーランドでの暮らしや趣味としてのDIY、写真、家庭菜園、そして仕事でもある技術系の話題を発信しています。