NZ移住ガイド

ニュージーランドでの就職活動、私なりのコツを共有します

こんにちは、とのっちょです。

海外移住をして難しいものの一つに就職活動があると思います。

全く勝手がわからない人にとってはそもそもどうやって仕事を探せばいいのかすらわからないと思います。

そこで今回はNZでの就職活動について、私の知見や経験をもとに書いていこうと思います。

今回の記事の情報は執筆時点(2025年4月18日)の情報をもとに書いているので、時間の経過とともに変わっている可能性があります。また、情報の内容は可能な限り正確に書いていますが、法律の話などについての具体的かつ詳細な内容は必ず弁護士などの専門家と確認してください。

NZでの就職活動の流れ

就職活動の流れ自体は日本とあまり変わらないと思います。

  • 募集しているところを探す
  • CVとカバーレターを作成して応募する
  • 面談や試験をする
  • 給料交渉をする
  • 採用となったら契約書を提示される
  • 契約書に問題がなければサインして試用期間開始
  • 試用期間が終わったら本採用

今回の記事でこれをすべてカバーするのは流石に大変なのと、日本と大差ないことを書いてもあまり意味はないので、以下のポイントに絞って書いていこうと思います。

  • 募集の探し方
  • CVとカバーレターの注意点
  • 給与交渉の際の考え方
  • 試用期間の注意点
  • 私が就職活動で気をつけていること

募集の探し方

まずは就職活動をしようにも採用中の雇用主を見つけられなければお話になりません。以前就職活動をしていたら公園をブラブラしている若い男性がいて、何しているのか聞いたら仕事を探していると言っていて、仕事は道には落ちていないとか思っちゃうくらいにのんびりと仕事を探していたのが印象的でしたが、永住権獲得を目指している人にとってはあまりのんびりすることもできません。

そこで募集の探し方を以下に書きます。

店頭に張り出されているケース

飲食店なんかはこのケースが多いように感じています。バリスタなどのカフェで仕事を探されている方は、あちこちのカフェを巡ってみるのもいいかもしれません。

店の入口に「店員募集中」と書いてある場合は募集をしていますが、ない場合は募集している可能性は低いです。

仮に募集していないところに行って無理にCVを渡しても迷惑になるだけなのと、純粋にCVの紙と時間の無駄になるので、やめたほうがいいでしょう。

友人・知人の紹介

NZではリファラル採用と言う形式が一般的です。これは、企業が社員の新規採用をしようと思ったときに、まずすでに働いている社員にいい人がいないかをあたり、もし入るなら紹介してもらって面接、うまく行けば採用と言う流れになるものです。

紹介した人は採用がうまく行くと報奨金をもらえるので悪い話ではありませんし、企業も求人サイトに掲載する費用がいらなくなるのでオトクなようです。

リファラル採用に申し込むことのメリットは、応募した人が面接に行ける可能性が高い、という点でしょう。

就職サイトの利用

就職サイトはNZでは以下のサイトが割と使われている印象です。

このあたりのウェブサイトにユーザー登録して仕事を探すといいでしょう。

また、企業によっては自社のウェブサイトに募集コーナーがありますので、見てみるといいでしょう。大体Careerなどと書かれています。

私の経験としてはSeek NZとLinkedInだけで十分だと思います。あまりたくさんのサイトを並行で利用すると自分がどこに応募したのかがわかりにくくなるのでおすすめしません。

CVとカバーレターの注意点

良さそうな仕事が見つかったから応募しようとしたときにはCVとカバーレターを書きます。CVは要は職務経歴書であり、カバーレターは自分がなんでこの仕事に応募するのか、ということを書く一種の自己アピールの手紙と思えばいいと思います。

具体的な書き方についてはネットで検索すればいいのですが、CVについて知っておくべきことややりがちなミスについて書いていこうと思います。

担当者がCVを読む時間は1分未満

CVを提出したとして、担当者は一体どれくらいん時間をかけているでしょうか?記憶が正しければ1分未満のはずです。

つまり、ぱっと見てピンとこないならもう飛ばされてしまう、ということでもあります。

ただ、次に書きますが、読んでもらえているだけ幸運な可能性があります。

お祈りメールを受け取ることの意味

Seekなどで仕事に応募したときにお祈りメールを受け取ることがあります。

これはApplicant Tracking SystemというシステムがまずCVの検査を行い、CVと仕事がマッチしていた場合にのみ採用担当者にCVを届ける、という仕組みがあるため、おそらくですが、このシステムが「あなたのCVはシステムでスキャンしたけどこの仕事にマッチしているように見えませんでした」と行っているのだ、と理解しています。

少なくとも何らかのシステムによってメールが送信されているであろうことは予想に固くありません。

というのも何度か全く同じタイミングで全く同じ文面のお祈りメールを複数受け取ることがあったからです。これがあるまでは採用担当者はCVを読んでくれていると勝手に思い込んでいました。

こちらの記事にどのようにこのATSシステムの検査をパスするか、ということが書かれているので、参考にしてもいいと思います。

CVでありがちなミスについて

私もまれに就職相談を受けることがあり、その際にCVを受け取って見るのですが、割とやりがちなミスがあります。

厳密に言うとミス、ではなく(嘘を書いているわけではないので)、「いらない情報を書いている」と言ったほうがいいかもしれません。

それでは割とありがちないらない情報を書いていこうと思います。

自分の国籍や母国語

まず、個人的に最も不要な情報がこれです。CVを見ると結構JapaneseとかNative Japanese Speakerと言う記載があります。応募する仕事に老いて日本人であることや日本語の腕前が重要であるならば書いてもいいと思いますが、基本的にこの項目が必要になることはありません。

そもそもとして自分が日本人であることは就職活動においてなんの意味もなく、それよりもきちんと英語をしゃべることができて仕事ができるか、が重要です。

日本人である私が入ることでこの会社に日本とのビジネスという可能性を提供できます、くらい強気に言える人もいるかもしれませんが、もし本当に日本とのビジネスをしたいと思っているなら、募集要項に日本語を含めるので、そういうこともないです。

語学試験の名前やスコア

例えばIELTS overall 6.5であるとか、TOEIC900点であるとかを書く人もいます。これもはっきりいうと就職活動においては意味がありません。

本人としては自分は英語をしっかりと喋れますという意味合いで書いているのだと思うのですが、これらの試験のスコアが高いことと英語を喋れることに大した関係はない、というのはおわかりかと思います。

そもそも募集している側がこれらの試験のことを知らないなら何を言っているのかわからないし、知っていたとしてもそのスコアになんの意味があるのだろう、としかなりません。

日本人の中ではIELTSで6.5を取るというのは確かにすごいことではありますが、そもそもネイティブなら少し勉強すればあっという間に取れるスコアでもありますし、人によってはいきなり試験を受けてオール満点取ることも可能な試験でしかありません。

とにかく全部書こうとしてしまう

CVにこれまでのすべての経歴を事細かに書こうとしてしまう人がいますが、これもよくありません、というか、意味がありません。

先にも書いたように担当者がCVを読む時間は1分もありませんし、一ページ目の上半分でピンとこないなら次に行かれてしまいます。

CVを履歴書的に見てしまうと確かにたくさん書いたほうが良さそうに見えますが、CVは「この人は自分たちがほしい経験をどのくらいもっているのか」を見るために読むものなので、その仕事に関係ないなら書かなくても良いでしょう。

その職について話すことでリーダーシップがある、協調性がある、諦めないでやり遂げることができる、ということを話せるようであれば書いてもいいかもしれませんが、私は何回かCVに書いていない事も話しているので、やはり大した意味はないかもしれません。

給与交渉の考え方

まず、NZで就職活動をしたい人は、以下のことを考えておきましょう。

  • ほしい給料はいくらか
  • 自分がやる仕事の給料レンジの上限はいくらか
  • これを下回ったら受け入れられない金額はいくらか

正直私は苦手なんですが、就職活動をする際にいつも頭に入れています。では、これらの金額はどのように決めればいいかを書きます。

給料のレンジの確認

careers.govt.nzという政府系のサイトがあり、ここではいろいろなポジションにおける仕事を取るためにやったほうがいいことや給料のレンジが書かれています。仮にバリスタを検索するとCafe Workerと提示され、そこには給料のレンジが時給$24-$30とありました。

これはつまり、$30を超えることはまず難しいということと言えるでしょう。

希望する給料を考える

次に希望する給料です。これは自分のライフスタイルなどを加味して考えるといいでしょうが、もっと重要なのは税金です。

収入に対して税金がどのくらいかかるのかを知ることは重要です。

では仮にバリスタのフルタイムの仕事を時給$25で手にした場合の税金を以下のサイトで計算してみます。

時給$25ということは、週に$1000、年に(52週間で計算)$52000なので、これを使います。すると納税額が$8210.72となったので、手に入る現金が$43000くらいでしょうか、これを改めて52で割ると$826が週に手に入るお金になります。

この数字がNZで生きていく上で十分なのか、ワーホリなのであれば貯金もして旅行費用もためたいでしょうから計算した上で考えてください。

給料の下限も決める

次に給料の下限です。NZの最低賃金は$23.15なので、これを下回ると違法になりますから、最低賃金を下回った給料で交渉してくるならその雇用主は避けてください。

サービス残業などをして最低賃金を下回る場合も違法です。

最低賃金のルールは実はもうちょっと複雑です。なので、最低賃金を下回ったからと言って必ずしも違法とは限らないので、その場合は一度確認して説明を受けるのも手かもしれません。

給料の下限ですが、「これを下回ると生活できない」と言うあたりにおいてしまうといざというときに対応できなくなります。そこで「最低週にいくら貯金したいか」ということを念頭に決めるといいでしょう。

試用期間時の注意点

実際に採用となった後に雇用主は一定期間のtrial period、つまり試用期間を設けることができます。この期間に雇用主は「この雇った人は本当にうちで働けるのか」を見定めることになります。

試用期間は法律上90日までと決まっていますが、契約書のほうが強くなります。日数は契約書に必ず書かれているので注意して見てください。

次にこの期間中の解雇は雇用主は理由を提示する必要はありません。つまりいつでも解雇できる期間ということでもあります。

ちなみに試用期間にはtrial periodとprobationary periodがあります。前者は理由なしに解雇できますが、後者は理由もなしに解雇はできませんし、問題解決の努力が求められるなどのルールもあります。

私が就職活動で気をつけていること

それでは最後に私が就職活動でどのようなことを気をつけているか、ということを書いていこうと思います。

応募時は電話したほうが得策と思っています

seekなんかで仕事を見つけると「質問があるならここに電話してください」と書かれていることがあります。この場合は電話をするようにしています。

なぜかというと、「いまからCV送るから見てほしい、自分はマッチしていると思う」といったほうが実はCVを見てもらえるからです。

前の方でseekなどはCVのフィルタリングシステムが利用されていると書きましたが、実は電話をして見てくれ、というと見てくれたりしますし、更に電話をすることには以下のようなメリットがあると感じています。

  • やる気を見せることができる
  • 英語でのコミュニケーションに自信がある、問題なく働ける外国人だ、とアピールできる

面接時はできるだけ話す

ひたすら話しっぱなしもバランスが悪いですが、とにかく話すことが大事です。口数が少ないと多分「何考えてるかわからない」と思われてしまう可能性がありますし、これから一緒に働くのだから積極的に会話をすることは高印象だと思います。

多少のネタっぽいことを言ってもいいですし、自分の知識とかぶることがあるなら「御社ではこういうことをしているようだけどこれってこういうこと?」と言う感じの話をしても構いません。

よほど無礼にならないならだいたい話してOKです。

面接時は謙虚にならないようにする

日本では謙虚さは美徳かもしれませんが、NZだと伝わらない話になってしまいます。例えばありがちな質問で「過去のキャリアの中で特に印象的なエピソードを話してください」というのがあります。

このときには「何をしたか、なぜそれが必要だったか、なぜそれを自分がやる必要があったか、なぜそれは困難だったか、なぜ自分はその困難を乗り越えられたのか」というようなことを「自分だから成し遂げられた」と言う感じに言ったほうが得策です。

これが傲慢だと思ってしまうのであれば、とにかくいくつかの仕事を練習がてら受けてみるのがいいでしょう。

実は私も謙虚に行くのがいいと言う感じだったのですが、練習がてらやってみるかと適当な会社を受けたらあっという間に受かってしまったので、多分悪い話じゃないと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

この記事を読んだことでNZでの仕事の探し方や給料の決め方などある程度わかったと思います。もしよければ私のやり方を参考にしてうまく言ったかなど教えていただけると幸いです。

では楽しいNZ生活をお送りください。

ABOUT ME
tonoccho
50代を目前にした父親であり夫でありプログラマーです。2014年からニュージーランドに在住、ニュージーランドでの暮らしや趣味としてのDIY、写真、家庭菜園、そして仕事でもある技術系の話題を発信しています。