ニュージーランドは日本と同様に民主主義国家です。
国民は投票をすることで政治家を選び、政治家は事前に提示した政策に基づいて政治を行います。
民主主義といえば投票を思い浮かべる人も多いかと思いますが、実はそれとは別に政治家に意見を述べる方法があります。
これは日本にもあり、請願、と呼ばれています。
ニュージーランド版の請願はPetitionといいます。
以前Petitionを利用したので、その体験を書いていきます。
Petitionの大まかな流れ
New Zealandのペティションは、以下のURLから利用することが可能です。
Petitionを利用するときの実際の流れは以下のようになります。
- Petitionを使って問題を提起する
- Petitionの担当者とやり取りをしつつPetitionを公開する
- 署名を集める
- 政府によって議論が行われる
- 結果が返される
署名を集めたりする際には、地元の政治家に協力を頼むということも実は可能でした。私は知らずにやっていたんですが、政治家に相談をすることで、彼らのSNSで共有してくれたりしました。
Petitionの参加資格
実際にPetitionを作成する、Petitionに署名をする、というのになにか制限はあるでしょうか?実はないようです。
世界中どこにいても、年齢や性別なども関係なく参加することが可能です。
New ZealandのPetitionはネットで容易に作成することができ、また参加の間口も広いのでかなり使いやすいと思います。
Petitionの効果
では実際にPetitionをやることにどのような意味があるのでしょうか?
例えば政府としてどのような問題があるのかを認識してもらう、ということも可能ですし、場合によっては法律改正なども起こるかもしれません。
他にもあるとしたら公的な調査を行ってもらうことも可能でしょう。
ただし必ずしも本人の要望通りの結果になるとは限りません。例えば、本来は政府の管轄外の問題提起も受け取ってもらえはしますが、その場合は政府として問題点を問題点と認識するにとどまります。
実際にやってみた体験
それでは私が実際にやったときの話を書いていきます。
まず、WebサイトでPetitionを作成しました。このときに気をつけたことは以下のとおりです。
- 可能な限り事実にもどついて全体を作成する。ここで言う事実とは実際に公開された統計情報やニュースサイトの記事のことを指します。
- その問題が社会においてどんなインパクトを与えているのか、また、その問題があるがゆえにどのような問題を被る人がいるのか、に視点をおいて書きました。
- 最後に自分たちの体験したことも書きます。
実際にどのようなことを書くのかは作成者の自由ですが、中には陰謀論名たものもあったりするので、一度見てみるのもいいかもしれません。
Petitionを作成し、提出すると、一旦担当者による確認を受けます。
このときに改めて「このPetitionはどういうものか」と言う質問を受けて答えたりしましたし、あとは書き方がそぐわない箇所があったので、修正してもらったりもしました。
それと、内容によっては個人情報につながることなどもあり、その点については公開情報になるが構わないかと言う確認も受けました。
これらに対して回答をすると、Petitionを公開したので、署名を集めるように支持を受けます。
署名を集める期間は当初は一ヶ月を指定されるのですが、担当者に相談することで期間を伸ばすことが可能でした。
ちなみに署名の数がなにかの効果を発揮するかというと特にそういうものではないようです。ただ、人情としてできるだけたくさん集めたいな、と思うことは無理もないと思います。
政治家を巻き込めばよかった
Petitionをより多くの人に知ってもらうことは重要だと思いますが、私がやったときは全部自分でやらなくてはならないのかと思っていたのですが、どうやら地元のPM(要は政治家)に助力を頼むことは可能だったようです。
これは署名期間中にやっておくべきことでした。コントなにかPetitionをやる際は、必ずPMに助力をお願いすることにしたいと思います。
こちらはLocal MPのPhil Twyford氏に実際似合って相談をしたときの様子です。
Swanson family Seiji, Tomoko and Kota Tonouchi came to see me today about their petition to Parliament asking for a…
Posted by Phil Twyford on Thursday, August 8, 2024
こうやってSNSで紹介をしてくれたのが助かりましたし、話も聞いてくれ、政府として何ができて何ができないのかということも教えてくれました。
ちなみに相談の内容によっては別のLocal MPに合うように言われることもあります。例えば、Local MPがたまたま移民大臣のときに移住の相談をすると、その相談は立場上できないので、隣の地区のLocal MPに相談してほしい、と言われたことがあります。
話し合いの結果、彼が実際に議会で私の作成したPetitionを読み上げてくれる約束をしてくれました。
また、政治家というのはもっとつっけんどんな人かと思っていたのですが、予想を超えてフレンドリーに話をしてくれる人でした。
まとめ
日本でもNZでもこのペティションと言う制度はありますが、使いやすさが日本に比べると段違いに便利でした。日本は調べた所、印刷して提出する必要があるようです。
また、投票以外の民主主義の使い方、というのをしれたというのはとても重要なポイントだと思っています。