日本の英語教育は役に立たない、何年も英語を学校で習っているのにちっとも喋れるようになたないじゃないか!という意見は今でもSNSなどで見かけます。
海外移住をする上でも一体自分が今もっている英語ってどのくらいなのかなというのが気になる人もいることでしょう。
個人的には日本の英語教育のレベルはマジでやばい(語彙力)っていうくらいに高いと感じています。日本の英語教育のレベルが一体どういうものなのか、そして、なんで英語を喋れるようにならないのか、について私の体験などをもとにして書いていこうと思います。
日本の英語教育は果たして役に立つのか、そしてどうして喋れるようにならないのか
日本の英語教育ってどんなレベル?
まず、最終的に喋れるのかどうなのか、という点や、しっかりできたかどうなのか、ということはさておき、日本の英語教育で高校までやるとどんな状態になるのでしょうか?
文部科学省の外国語教育政策資料・事業・調査研究等によると、以下のように定められています。
- 英語力について、中学校卒業段階で CEFR の A1レベル相当以上、高等学校卒業段階で CEFR の A2レベル相当以上を達成した中高生の割合の増加(5年後目標値:6割以上)
- 全ての都道府県・政令指定都市において、中学校卒業段階で CEFR の A1レベル相当以上、高等学校卒業段階で CEFR の A2レベル相当以上を達成した中高生の割合を5年後までに5割以上にすることを目指す
- 特にグローバルに活躍することが期待される層の拡充に向けて、高等学校卒業段階で CEFR の B1レベル相当以上を達成した高校生の割合の増加(5年後目標値:3割以上)
外国語教育政策資料・事業・調査研究等より抜粋
つまり、中学校までの英語をしっかりやっていれば、A1レベル以上、高校までをしっかりやっていればB1以上、ということになります。
このA1であるとか、B1レベルというのが一体なんなのかというと同様に文部科学省が各資格・検定試験とCEFRとの対照表と言う資料を公開しています。
A1とB1の説明は同資料によると以下のようになっています。
レベル | 解説 |
---|---|
A1 (英検三級レベル) | 具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。自分 や他人を紹介することができ、住んでいるところや、誰と知り合いであるか、持ち物などの個人的情報について、質問をし たり、答えたりすることができる。もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助けが得られるならば、簡単なやり取りをすること ができる。 |
A2 (英検準二級レベル) | ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく 使われる表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に 応じることができる。 |
B1 (英検二級レベル) | 仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。 その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人的 に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。 |
つまり、中学校をしっかりやれば簡単な会話はできるはずであり、高校までしっかりやれば輪症のトラブルにも対応できるはずだ、ということができると思います。
ちなみにこの表でもわかるように、IELTS6.5はCEFRで言うところのB2になります。
そしてCEFRの最高峰であるC2を判定できる試験はIELTSとケンブリッジ英語検定しかないようです。
日本の英語教育で身につく知識はどのレベル?
私は突然ですが、オーストラリアに一年間ワーキングホリデーで言っていたことがあり、当初は英会話学校に通っていました。
で、感じたことの一つが「文法知識に関してはこの学校で学ぶこと殆どない」でした。
私の英語力というか当時の英語の基盤は、中学校3年ニ学期までは結構頑張ったけど後は順調に右肩下がりをしていき最終的に赤点回避で精一杯、くらいでしたので、おそらく中学校卒業程度の文法知識があればひとまず大丈夫だと感じています。
当然のことながらこれは個人の見解になりますが、中学校までしっかりやれば文法知識は、高校までしっかりやればボキャブラリに関しても十分実用的なレベルに達するというのが私の感想です。
じゃぁなんで喋れないの?
それでは最初の問題に戻ります。日本の英語教育は役に立たない、あれだけやってもちっとも話せるようにならないじゃないか!というものですが、まずこちらが私の最初の回答になります。
話せるようになるかはおいておいて、高校まで英語をしっかりやれば話すために必要十分な英語のリソースは間違いなく獲得できています。
話せるかどうかは知識がどれだけあるかとは私からしたら関係がないはなしないので追って説明します。
では私の考える「どうして英語を喋れないのか」について書いていこうと思います。
ちなみにもっと言葉を選ばすに回答するなら「学校で英語習っただけで英会話なんかできるようになるわけねーだろ」です。
英語を話せない理由はいくつかあると思います
私が個人的に日本人が英語を話せない理由というのを考えてみると大体こんな感じかと思います。
- 慣れの問題
- ネイティブと話すときの恐怖心
- 正解を求めすぎている
それでは一つ一つ書いていこうと思います。
慣れの問題
多分これが一番大きい気がします。英語に限らず会話をするというのは以下の作業を高速に行っていると言う認識をしています。
- 相手の言っていることを瞬時に理解する
- 何なら相手が言いきる前に何を言いそうかを期待して待機する
- 並行して自分の返事を考える
- 自分の言いたいことを瞬時に言葉に変換する
- 口から出した言葉が相手に一発で通じるような発音でしゃべる
どうしてこういうことができるのかといえば、大体の場合は文化だとかそういったものも手伝ってくると思います。
じゃぁ、英語の場合は?と言うならば、英語という言葉以外何もないのであればいきなり話せと言われて話せると思いますか?
つまり、英語を喋れるようになるには、英語をしゃべる環境に見をおいて、しばらく話す努力をしつつ待つ必要があると思っています。
実際私もオーストラリアにいた時、自分の言っている英語が伝わるようになるまでに一ヶ月はかかりましたし、相手の言っている英語がなんとなくわかるようになるまでは三ヶ月かかりました。
ここまできてやっと「喋れる」と言う状況になったと言っていいでしょう。
ネイティブと話すときの恐怖心
話しかけはしたものの相手の言うことがわからなかったらどうしよう、というポイントです。これは結構難しいと思いますし、克服するのも簡単ではないと思います。
わからない、というのにはいくつかあります。
- 全く想定外の話をされてしまう
- 相手の英語が早すぎる・イントネーションが強すぎる
- 自分にはわからないボキャブラリを使われてしまう
特にNew Zealandのような多文化国家においては、英語の訛りも各国様々で強すぎて単語レベルで聞き取りがきつい人もいます。
ただ、ここはお互い様で聞き返す、ということは重要だと思いますが、聞き返すための英語をいくつかストックしておくといいでしょう。
Speak Slowly Pleaseは悪手であるとは言っておきます。
ただこの辺も割と時間とともに解消していくポイントではあります。
正解を求めすぎている
日本の英語教育で問題点を一つ言えと言われたら私はこの一点かなと思っています。
まず心得てほしいのは、話すという点において「通じている以上は正解」という第原則があるということです。
何回もやり取りしても最終的に目的を達成したならそれは正解の会話です。
一方で日本の英語教育は、何が正解で何が不正解か、という点を重視しすぎているようには感じます。
そのため、海外旅行などで「ねえねえ、今サンタンゲンのs忘れてたよ」とか「今の前置詞onじゃなくてinじゃないの?」とか聞いてくる人もいますがこれは日本の英語教育の弊害かもしれません。
ただ、そういうのを恐れるあまり英語を口から出せないのはもったいないので、気にしないほうが得策だと思います。
これに関しては、学校で英語をやってテストをする以上は致し方ない点ではありますし、英語を読む、書く、という割と正解が出やすい性質上不可避な部分ではあると思います。
ただ、会話、という点を考えるのであれば、英語の試験でやるような添削というのは忘れて良い、ということはあって良いと思います。
まとめ
いかがでしたか?私なりに日本人が英語を喋れない理由を考えてみました。もうちょっと雑に見るならば、結局慣れの問題と重箱の隅を突っつくような無粋な人に足を引っ張られていることが原因で、日本の英語教育がイケてないから英語を喋れない、ということはないのではないかと思っています。
事実New Zealandにもたくさん日本人は住んでいますが、彼らも最初は(帰国子女でもない限り)は日本で習った英語をもってきているわけですから、日本の英語教育が役に立たないなんて言うことはないと思います。
最後に本当に大事だと思うので最後にこの言葉をお送りして閉めようと思います。
遠回りしようが何回も聞き返そうがいいたいことが伝わっていればそれが正解、みんなハッピー